第50章 産婦人科

その言葉を聞いて、竹内詩織はむっと唇を尖らせた。そう言うだろうな、と思っていた答え。それでも、がっかりした気持ちは顔に出てしまう。

「はいはい。わかってた、澪は説得できないって」

スプーンを置き、身を少しだけ乗り出す。

「でも、絶対に連絡取り続けようね! LIMEでも電話でも、いつでも私に連絡して! 今回はほんとに……ほんとにありがとう。澪がいなかったら、私……」

それ以上は言わなかった。けれど、溢れるほどの感謝が声の端に滲んでいた。

冬木澪は自分のコーヒーを持ち上げ、ひと口含む。苦い液体が喉を落ちていく。

きらきらした竹内詩織の目を見て、胸のどこかが、ほんの少しだけ緩んだ。

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