第52章 友情

運悪く、店内の監視カメラは点検のため停止していた。

それでも警察は、現場にいた複数の目撃者から事情を聴取し終えると、橋本日奈の前に立った。

「橋本さん。あなたには傷害の疑いがあります。署までご同行ください」

竹内詩織は誰もが知るトップ俳優だ。世間の好感度も高い。

そんな彼女が怪我を負わされたとあって、周囲の視線が好意的になるはずもない。

まして橋本日奈は、H市ではもともと評判がいいとは言えない。しかも事実が事実だ。

目撃者たちは我先にと、彼女の非を並べ立てた。

だが、ここまで追い詰められても、橋本日奈はなお足掻こうとする。

「わ、私は……橋本家の……」

「言い分は署で」

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