第56章 独占欲

「澪を呼んだのは、私よ」

冬木澪が口を開くより先に、高瀬梅子がそう言い切り、藤堂颯太に目配せをした。

「今日は湊の誕生日なの。わざわざ帰って来させたんだから、変な真似しないでよ!」

「家族で集まるくらい、何が悪いのよ」

「家族?」

藤堂颯太は、高瀬梅子の手のひら返しに心底うんざりした。

「母さん、この生意気な小娘と家族だったんだ?」

「いいから黙りなさい!」

「あなたがあの女を呼ぶって言うの、許してあげただけでも相当譲ってるのよ。まだ口答えするなら、今すぐ電話して『来なくていい』って言いなさい!」

――血のつながりってやつは強い。

高瀬梅子の二言三言で、颯太の怒りは火を消...

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