第57章 自ら和解する

藤堂湊は、藤堂家のどろどろした内輪揉めに、端から興味なんてなさそうだった。

――けれど、姓が藤堂である以上、どうやっても無関係ではいられない。

「いい」

冬木澪は彼を見て言った。

「誕生日、おめでとう」

結局、最後にそれだけは口にした。

藤堂湊は、去っていく冬木澪の背中を見送る。

その瞬間、腑に落ちた。

この“仕込まれた罠”は、最初から彼女を縛れていなかったのだ、と。

「この女、どんだけ腹黒いのよ!」

「藤堂家にたかるつもり? 言っとくけど、そんなの無理だから!」

「藤堂奥さん、私はあなたを敬ってます。だからこそ、言葉は選んでください。私、藤堂家の子を妊娠してるんです。...

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