第63章 手がかり

「うん」

冬木澪が頷く。

「新しい手がかりが出た。あなたのお父さん、生前に『ナイチンゲール』っていうプロジェクトに関わってたみたい」

「高瀬梅子なら、何か知ってる可能性がある」

高瀬梅子の名が出た瞬間、藤堂湊の眉がほんのわずかに寄った。

「だよな。最近あの人、君への態度が明らかにおかしい。昨日、家に電話したらさ、三言目には君の話で……帰ってきたら宴会を開いてやるってまで言ってた」

ふと、思い出したように言葉を継ぐ。

「そうだ。颯太が橋本日奈と入籍するって言ってさ。母さんも反対しなかった。ただ『俺と――』」

「おまえと……」

言いかけた「君」という音が、喉の奥で飲み込まれた。...

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