第64章 偶然の出会い

「向こうに激ヤバな店があるの! あと路地裏に隠れてるちっちゃい定食屋も。あれ、私が行ったことないと絶対見つけられないやつだよ。味は間違いなく、澪が藤堂湊と食べたのより本場!」

冬木澪はスマホの画面を消し、適当な言い訳で断ろうとした――その肩を、竹内詩織がぐっと押さえる。

「仕事とか言わないでよ。おととい自分で言ったじゃん。藤堂湊が今回、澪をS市に連れてきたのは、ちゃんと二日休ませるためだって——言ったこと、撤回なしね」

小林詩乃もすかさず乗っかる。

「行こ行こ。私たちに付き合うってことでいいじゃん。明日せっかく撮影ないし、私もちょっと古い小物とか漁りたい!」

左右から畳みかけられ、...

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