第79章 野心

藤堂颯太はいま反論する勇気などなく、ただ拳を強く握りしめて、黙ってうなずくしかなかった。

「……わかりました」

「それから」

藤堂湊が言葉を継ぐ。警告を含んだ視線が刺さる。

「近道なんて考えるな。藤堂グループは遊ばせるために金を出さない。腹に一物ある人間なんて、なおさら要らない」

その一言は、平手で頬を打たれたみたいに痛かった。

颯太は勢いよく顔を上げ、何か言い返しかける。だが藤堂湊の瞳の底に沈む冷たさを見て、喉の奥で言葉を押し潰した。

背中が鉄板みたいに強張る。颯太は「失礼します」とだけ絞り出し、足早に部屋を出た。

扉を閉める手つきにも、苛立ちがあからさまに乗っていた。

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