第96章 取引帳簿

「藤堂湊と冬木澪に踏みつけられるくらいなら……いっそ賭けるほうがマシでしょ」

橋本日奈は声をぐっと落とした。

「聞いてるでしょ。冬木澪がプロジェクト『ブラックアイス』を洗ってるって」

「アレが掘り返されたら、藤堂家ごと道連れ。骨も残らない」

藤堂涼太の瞳孔が、ひゅっと縮む。

プロジェクト『ブラックアイス』――それは自分にとって最大の切り札だ。なぜ橋本日奈が知っている。

「俺を嗅いだのか」

「お互いさま」

橋本日奈は、盗み食いした猫みたいに笑った。

「あなたのお父様の死、妙だった。藤堂慎一の古参の中に、真相を知ってる人がいる……そうでしょ?」

廊下の奥から、藤堂颯太の足音が...

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