第4章

由美視点

舞台裏の照明は眩しすぎた。鏡に乱反射して、私の顔にどぎつい影を落とす。カーテンの隙間から、二百人を超える招待客が席に着いていくのが見えた。投資家、ジャーナリスト、提携先の人間たち。皆が待っている。

私は舞台袖に立っていた。手のひらが汗ばんでいる。こんな風に緊張するのは初めてだった。

プレゼンテーションなら何百回とこなしてきた。瑞浜工科大学での研究発表、投資家への売り込み、技術カンファレンス。だが、これは違う。これは、私が築き上げてきたものすべての終わり。そして、私が手に入れるべきものすべての始まり。

足音が近づいてくる。ためらいがちに美奈が現れた。「由美、大丈夫? ...

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