第4章

莉奈視点

土曜日の午前十時までに、私はもう三回も服を着替えていた。

ベージュのワンピースはフォーマルすぎるし、デニムのスカートはカジュアルすぎる。悩んだ末に、水色のAラインスカートに白いトップスという組み合わせに落ち着いた。頑張りすぎてない感じなのに、ちゃんと私の良いところを引き立ててくれる。

『もう、莉奈ったら、まるで十六歳の女の子みたい!』

でも、高鳴る気持ちを抑えきれない。古賀真くんが美術展に誘ってくれたのだ! これってデート? それとも、ただの友達としての文化交流?

どちらにせよ、昨日の夜から興奮しすぎて眠れなかった。

約束の時間まで一時間。私はキャンパス内...

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