第7章

莉奈視点

颯真の拳が真くんの顔にめり込んだ瞬間、私たちの秘密が完全にバレてしまったんだと悟った。

この二週間、私と真くんは慎重に人目を忍ぶ恋を育んできた。昼間、キャンパスでは普通の友達。夜、人気のない片隅で恋人同士になる。盗むように繋ぐ手、隠れて交わすキス、深夜に送り合うメッセージ……どの瞬間も刺激的で、甘い時間だった。

私たちは完璧に隠し通せていると思っていた。

私が間違っていた。

「てめえ、よくも裏切りやがったな!」颯真の怒号がロッカールームに響き渡る。「お前のこと、何もかも信じてたってのによ。俺の妹に手ぇ出しやがって!」

真くんは切れた唇から血を流している。だ...

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