第8章
大輝視点
聖心総合病院、ICU。午前三時。
僕は愛美のベッドの傍らに座り、三日三晩、一睡もしていなかった。目は焼けつくように痛み、服はしわくちゃで、事故現場でついた血――彼女の血で汚れていた。
だが、一秒たりともその場を離れる気にはなれなかった。
『彼女は死にかけた……僕のせいで……すべて、僕のせいで……』
もっと早く真実を告げていれば、僕があんなクソ臆病者でさえなければ、彼女はこんなことには……。
「ごめん……全部、僕のせいだ……」冷たくなった彼女の手を握りしめ、僕は囁いた。「もっと早く、本当のことを言っていれば……僕が、あんな臆病者じゃなかったら……」
彼女は幽霊のように青...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章


縮小

拡大