第40章

 江口慎吾は凍りついた。

 「君は……」

 鈴木千穂はあの日別荘で起きたことを思い出し、彼を見る目は恐怖と警戒心に満ちていた。

 「動かないで!近づかないで!」

 「千穂ちゃん……」江口慎吾の胸が痛んだ。

 「あの日、俺……」

 「もういいわ!帰って、私たちには話すことなんて何もないわ」

 「千穂ちゃん……」男の目は血走り、硬直したまま立ちすくんでいた。

 「ごめん、俺が悪かった。もう喧嘩しないでくれないか?あんなこと言うべきじゃなかった、あんなことするべきじゃなかった……」

 「俺は、俺はただ君が恋しくて……つい衝動的に……」

 「今回来たのは、君に俺と一緒に帰ってほし...

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