第7章

新井紬視点

それから数時間、私は伊藤裕太にすべてを打ち明けた。

千泉大学で騙されて辞めることになった経緯から、地下養成所の恐怖、これまで実行してきた任務のすべて、そして木村航平の犠牲に至るまで。恥ずかしいと思うような部分さえも、何一つ隠さなかった。

伊藤裕太は時折質問を挟みながらも、ほとんどはただ静かに、私の話に耳を傾けていた。

小林颯に暴行されそうになったことを話した時、彼は拳を固く握りしめた。木村航平が私たちを救うために死んだと告げた時、彼の目には涙が浮かんでいた。

「本当に、知らなかったんだ」

彼は言った。

「親父が冷酷な人間だってことは子供の頃から知っていた...

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