第5章

 私は動かなかった。「……いや」

 混乱が爆発した。

「舞台から降りろ、この思い上がった化け物め!」貴族生徒のほうから怒鳴り声が飛ぶ。

 鋭い石が、貴族席から一直線に投げつけられた。

 避けようと身をひねったが、石は私の額へ容赦なく叩きつけられる。

 頭が乱暴にのけぞった。

 生温かい液体が眉を伝い、目にしみて視界が赤く滲む。滴る血が、制服の襟元にパッと跳ねた。

「映美! 正気なの!? 一位にそこまで依存して、こんな大騒ぎまで起こすつもり? 負けるのがそんなに嫌なら、私が棄権する! だから、こんな馬鹿げたプライドにしがみついて自分を傷つけないで!」

 理奈が駆け寄り、カメラに...

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