第6章

 競技場に渦巻いていた耳をつんざく騒音が、ようやくほんのわずか鎮まった瞬間。理奈は観客のほうへ向き直り、惨めで、涙の跡が頬に残る笑みを浮かべた。

「私のマナの蓄えが、映美に遠く及ばないのは分かっています。こんなことを言えば、みんな私のことを頭がおかしいと思うでしょう」

「でも、こんなふうに長いあいだ悪意をもって搾取され続けてきた以上、今日は自分のために立ち上がらなきゃいけない……だって、映美はずっと私から盗んでいたんです!」

 そう言い切った途端、観客は真っ二つに割れた。

「理奈は完全に正気を失ったのか? 映美は下書きもなしに空間折り畳みを打てる化け物だぞ。どうして写す必要があるんだ...

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