第14章

男は熱の残る頬を、彼女の平らな下腹にそっと寄せた。

「ベビーがね、ママが結んでくれたネクタイ、すごく似合ってるって褒めてる」

低く澄んだ声が、星野結花の胸の奥をくすぐる。

「そうなの?」星野結花はくすっと笑う。「ベビー、あなたに似て目が肥えてる!」

新山晃の口元が、わずかに持ち上がった。

……

RGグループ。

社長室に立つ星野結花は、落ち着かない気持ちで大きな窓の外を見た。S市のきらめく繁華街が、足元に広がっている。

「座れ」

会議を終えたばかりの新山晃が、結花を一瞥する。

「何を飲む」

「オレンジジュースで」

結花がソファに腰を下ろすと、すぐに女性秘書がトレーを抱え...

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