第19章

そのとき、星野結花のスマホが場違いなタイミングで鳴り出した。

結花は慌てて立ち上がり、スマホを掴んで通話に出る。

「もしもし、美優?」

『あんた、会社と契約切ったの? どういうこと!?』受話口から、桜井美優の切羽詰まった声が飛んできた。『あんたがいなくなったら、私どうすんのよ!』

星野結花はその言葉に、新山晃をちらりと見た。

こほん、と咳払いをひとつ。

「捨てるわけないでしょ。私たち、一緒に飛ぶの!」

『どこに!? 違約金いくらか知ってんの!?』美優が興奮してまくし立てる。

「美優、落ち着いて。あとで私からかけ直す!」

そう言って、結花は通話を切った。

潤んだ月みたいな瞳...

ログインして続きを読む