第24章

「ねえ、星野さん。サイン、もらってもいい?」

星野岳斗がにこにこしながら言った。

「俺もファンなんだよ!」

「SNSの名前、酢豚を一杯っていうんだけどさ。ファングループにも入ってるし!」

新山晃は星野結花の手を握ったまま、その場を離れた。星野岳斗のことなど、最初からいないみたいに。

……

療養所を出たあと、新山晃は星野結花をレストランへ連れてきた。

今夜の星野結花は珍しく好き嫌いを言わない。皿の上の料理を、素直に口へ運んでいる。

新山晃はただ静かに、その様子を見つめていた。

「今日はずいぶんお利口だな」

しばらくして、男が問いかける。

星野結花は視線を上げた。

「これ...

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