第29章

ダイニングテーブルの上。星野結花は俯いたまま、皿の料理をつんつんと突いていた。

新山晃は、彼女の不機嫌に気づいたのか。手を伸ばし、髪を軽く撫でる。

「どうした」

「……別に」

星野結花は顔を上げてそれだけ答えると、また視線を落とした。

しばらくして、目の前にピンクの箱が置かれる。

「……なに、これ」

星野結花は新山晃の目を見て尋ねた。

「機嫌取り」

新山晃はそう言ってカトラリーを置く。

「ちゃんと食え。いい子にしろ」

それだけ言い残し、席を立った。

星野結花はピンクの箱を見つめ、リボンをほどく。

中に収まっていたのは、繊細なダイヤのネックレス。きらきらと眩しいほどに...

ログインして続きを読む