第34章

「フルーツジュースを持ってこい」新山晃が、少し離れた場所に控えていた使用人へ低く命じた。

「かしこまりました、旦那様」

使用人は小さく頷くと、そのままフルーツジュースの用意に向かう。

星野結花は、じぃっと新山玖の手元――コーラのグラスを見つめた。

同時に、新山晃の鋭い視線も新山玖へ突き刺さる。

「……こほん、こほんっ!」

新山玖はわざとらしく咳払いを二つして、慌ててグラスを使用人に渡した。それから結花に、やけに爽やかな笑顔を向ける。

「コーラなんて何がいいのさ。フルーツジュース、一緒に飲も?」

「ほら、いい子。あと二口だけ」

新山晃は結花の髪を撫で、根気よく宥める。

結花...

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