第53章

星野結花はまつげをふわりと揺らし、澄んだ瞳にやわらかな情が走った。

新山玖がオフィスのドアを押し開けた瞬間、その光景が目に飛び込んでくる。結花は来客に気づくなり、慌てて新山晃を押しのけた。

「げほっ、げほっ……げほげほっ!」

玖はぱちぱちと瞬きをする。

「えっと……妊娠してても、そういうのってアリなの?」

晃の顔がすっと陰る。内心ではもう何度も玖を窓から放り投げていた。

「用があるなら兄貴にだろ? じゃ、私は失礼するね」

結花はそう言って席を立ちかけた。

玖は、頬をほんのり赤く染めた結花を見て、にやりと笑う。

「私、結花さんに用があるんだけど。新しいバラエティー番組、出るっ...

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