第8章

「やっぱり彼女のほうがいい!」

綾野大翔は鼻先をこすって言った。

「俺、何年もお前の盾やらされてさ。何回“彼氏疑惑”かぶったと思ってんだ。俺の趣味は至ってノーマルだからな、分かる?」

S市じゃ名の知れたプレイボーイのくせに、なぜかゲイ扱い。原因は言うまでもない。新山晃に巻き込まれたせいだ。

新山晃は手元の書類をめくるだけで、何も言わない。

「てことはさ、俺……お義父さんってやつ?」

綾野大翔は胸を叩いて笑う。薄く赤い唇がつり上がり、妙に妖しい。ぱちん、と指を鳴らした。

「お前、ずっと『女は面倒』って言ってたじゃん。なのに今回は事故で子どもまでできた。跡取り問題は解決、新山家の口...

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