第99章

星野結花は、新山晃の顔を見つめたまま、まつげを小さく震わせた。

――「結花は素敵な人だし、俺は大好きだ」

澄んだ声に、嘘のない熱が混じる。

距離は近い。近すぎるくらいだ。

整いすぎた目鼻立ちに、腹が立つほどきれいな肌。墨色の髪はきちんと整えられていて、近寄りがたいほど冷たく見えるのに、どこか品がある。

……なのに。

(この人、隠れ肉食のオオカミじゃん!)

人をその気にさせるのが、致命的にうまい。

結花は晃の瞳を見て、ごくりと唾を飲み込んだ。

「星野さん」

「うん……」

「キス、上手いの?」

晃が眉を軽く上げて訊いてくる。

「……も、もちろん上手いよ!」

勢いだけで...

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