第4章
空気が一瞬で凍りついた。
世界がぐるぐると回り、胃が再び痛みで締め付けられるのを感じた。私の秘密が、もうすぐ暴かれてしまう。
「ただの、友達よ」私はか細い声で、ほとんど聞き取れないほどの声量で言った。
拓海の視線が冷たくなった。「友達? どんな友達が、そんな風に体の心配をするんだ?」
誠が前に出て、私たちの間に割って入った。「拓海、今は責めている場合じゃない。日葵には治療が必要なんだ」
「治療だと?」拓海は鼻で笑った。「またそれか。子供の頃から、あいつは構ってほしい時、いつも『病気』になってた」
「もうやめろ!」誠がついに声を荒らげた。「君は、彼女がどんな思いをして...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
縮小
拡大
