第9章
書斎で美咲が送ってきたリフォーム雑誌を整理しながら、俺はかなり上機嫌だった。
ここ数ヶ月、日葵がいないだけで、家全体がずっと静かになった。キッチンから聞こえるガチャガチャという音も、誰かのご機嫌を窺うようにこそこそ歩き回る姿を見ることも、そして何より、あの野郎、誠がうちに入り浸ることに我慢する必要もなくなった。
「空いている客間なんて、ただのスペースの無駄だな」
俺はそう独りごちると、そこをちゃんとした書斎に改造することに決めた。
客間のドアを押し開けた瞬間、ふわりと香りが鼻をついた――日葵がいつも使っていたシャンプーの香りだ。俺は顔をしかめ、換気のために窓を開けた。
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
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