第5章
M区ホテルの最上階ホール。
うねる人波の向こうで、私は一瞬で悠人を見つけた。シャンパンのグラスを手に、数人の銀行家と談笑している。
三年という時間は、確かに彼の身体にも痕跡を残していた。こめかみに混じる、わずかな白。こちらの視線に気づいたのだろう、悠人がふと顔を上げる。目が、真正面からぶつかった。
グラスを握る指がきゅっと強張り――けれど次の瞬間には、何事もなかったように無表情のまま視線を外した。
私は彼と揉めるつもりはない。今夜の目的はただひとつ、正一を一目見ることだけ。
警備の目を避け、私はそっと二階のプライベートラウンジへ上がった。書斎の扉が半開きで、隙間から喜代...
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チャプター
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3. 第3章
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7. 第7章
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