第7章

システムの計らいで、私は五億円と新しい身分を手に入れた。

システムはすぐに私に別れを告げた。

『私は行きます。新たな任務を遂行するために。あなたはここで、どうかお元気で』

「もう行っちゃうの?」

二言三言交わした後、私は名残惜しさを強く表した。

心の中では、一生会わなければいいのに、と思っていたけれど。

それから一年以上の時が経ち、システムが本当にいなくなったことを確認してから、私はようやく東京へ戻る決心をした。

あんなに素敵な彼氏を、このまま逃がしてしまっていいはずがない。

それに、私は彼を傷つけた。

どんな目的があったにせよ、私はあの行為に及んだのだ。

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