第112章 川野梓が失踪した

鳴海絃星は病院を出てから、休む間もなかった。

千峰グループとの提携契約はとっくに草案ができていたのに、いろいろあって先延ばしになっている。だから昨夜、鳴海絃星は千峰毅宏と時間を決め、今日こそ片をつけるつもりだった。

着替えを済ませ、玄関へ向かった、そのとき。

スマホが鳴った。

通話に出ると、相手は切迫した声で言った。

「鳴海嬢、川野梓さんが本日、登校しておりません。欠席連絡もなく、こちらからも連絡が取れません。お付きの方とも繋がらないのですが、どういう状況でしょうか」

鳴海絃星はスマホを握る指に力を込めた。

「……学校に行ってない?」

「はい」

胸の奥が一気にざわつく。だが...

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