第115章 銃撃

鳴海絃星の身体が、びくりと跳ねた。――死ぬ。そう思った。

けれど、約束されたはずの痛みは、いつまで経っても降ってこない。

はっと目を見開くと、さっきまで銃口を向けてきた黒服の男が、床に倒れていた。

心臓がどくどくと暴れ、胸の内側から飛び出してきそうになる。

恐る恐る顔を上げる。

白鳥縁一が、片手に銃を持ったまま、ゆっくりと歩いて入ってきた。

顔色は紙みたいに白い。いつもは穏やかなその瞳に、絃星が見たこともない冷たさと決意が渦巻いていた。

川野剛の表情が、完全に崩れる。

彼は絃星を腕の中へ乱暴に引き寄せ、もう片方の手で腰からナイフを抜いた。刃先が、彼女の喉元に押し当てられる。

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