第117章 これから二度と会わない

八幡誠言は、鳴海絃星の――憎しみで燃える瞳を見つめたまま、数秒沈黙した。やがて口を開く。

「川野剛の証言だけを、唯一の根拠にはできない……」

言い終える前に、鳴海絃星が鼻で笑った。冷たい笑み。冬の風みたいに、骨の髄まで冷える。

「つまり、今でも若林詩羽がそんなことをするって思ってない。そうでしょ?」

八幡誠言は眉をわずかに寄せる。

「そういう言い方は偏ってる。俺はただ、現時点じゃ証拠が足りないと言ってるだけだ。彼女がやってないと断言したわけじゃない」

「偏ってるのは私? それとも八幡社長が庇ってる?」

鳴海絃星は彼を見据え、言葉を一つずつ落とす。

「じゃあ、話を変える。もし証...

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