第126章 決して振り返らない

鳴海絃星が前脚で出ていったかと思えば、入れ替わるように八幡誠言がドア口に立った。

鼻で笑い、いかにも愉快そうに言う。

「どうした。追い出されたのか?」

鳴海絃星は振り返り、八幡誠言をきつく睨みつけた。それでも何も返さない。

このクソ男は、人が困っているところを見るのが大好きだ。

――とはいえ、鳴海絃星が去ったことで、八幡誠言の機嫌は明らかに良くなっていた。

これで彼女は、白鳥縁一と二人きりになれない。

一方の白鳥縁一は、ようやく母と結城栞を帰したところだった。

どれだけ考えても腑に落ちない。自分は徹底して隠していたはずなのに、なぜ母の耳に入ったのか。

まさか……八幡誠言?

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