第127章 八幡誠言が嫉妬する

二人はそのまま、睨み合ったまま動けずにいた。空気は、いつ切れてもおかしくない弦みたいに張りつめている。

八幡誠言は奥歯を噛みしめ、しまいには目を閉じた。

鳴海絃星としても好都合だった。できれば一生、彼の口から自分に向けた言葉なんて聞きたくない。どうせ一言でも発されたら、こっちは罵り返したくなるだけだ。

病室は静まり返った。

そのとき、スマホが鳴った。

鳴海絃星が画面を見ると、土井優夕からの着信だった。

目を閉じたままの八幡誠言をちらりと見る。寝ているのか、寝たふりなのか――判断がつかない。

彼女は立ち上がり、足音を殺して病室を出た。かなり離れてから、ようやく通話ボタンを押す。

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