第129章 八幡誠言は若林詩羽を助けた

鳴海絃星は病院を出ると、その足で警察署へ向かった。

土井圭が申し訳なさそうに言う。

「悪いな、絃星。証拠がない以上、若林詩羽を拘束することはできない」

鳴海絃星は深く息を吸い込み、胸の奥で荒れ狂う感情を無理やり押し込めた。

「川野剛は、留置中に誰と面会したの?」

「弁護士だけだ」

「監視カメラ、見せてもらえる?」

「もちろん」

土井圭が声をかけ、当日の映像が呼び出される。

画面の中では、濃紺のスーツを着た中年の男が面会室に座っていた。やり取りは終始、形式的な確認ばかりで、淡々と手続きが進む。

男が立ち上がり、出ていこうとした、その瞬間。

映像がぶつりと乱れた。ジジジ……...

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