第14章 次の男

「ぁ——っ!!」

耳を裂くような悲鳴が、室内に反響した。

八幡誠言がどう手を動かしたのか、その一瞬は誰の目にも捉えられない。ただ次の瞬間には、大猫の左手の小指が、ぽとりと床へ落ちていた。

断面から血が噴き上がり、大猫は痛みに身体を折りたたむ。水から上げられた海老みたいに、びくびくと痙攣しながらのたうつ。

八幡誠言はゆっくり立ち上がり、懐から真っ白なハンカチを取り出した。慌てる様子もなく、刃についた血を丁寧に拭い取っていく。

「さっきの言葉、録ったか」

傍に控えていた手下がすぐに腰を折る。

「はい、八幡社長。すでに端末へ送信しております」

八幡誠言は短く鼻を鳴らし、血で汚れたハ...

ログインして続きを読む