第141章 見惚れたか?

八幡誠言は、ふいに足を止めた。

「……どういう意味だ?」

鳴海絃星は視線を逸らさない。

「訊くけど。私が車にはねられたあと、あなたはどう処理したの?」

「俺は……」

八幡誠言は言葉を途中で飲み込んだ。

あの事故のとき、彼は深く考えなかった。鳴海絃星が余計なことに首を突っ込んだから巻き込まれた――ただ、それだけだと思っていた。

運転手が捕まったあとも、彼はそれ以上を追わなかった。

その沈黙が、鳴海絃星の胸をじわじわ冷やしていく。

苛立ちを抑えきれず、声が尖った。

「……じゃあ、あなたは私が何を助けてって言いに来たと思ってたの?」

彼女は八幡誠言の手を振りほどき、歩調を速め...

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