第146章 同じベッドで寝る

ドアの外から聞こえてくる物音に、鳴海絃星の心臓がひゅっと吊り上がった。

そっと玄関へ歩み寄り、ドアを開ける。

くすんだ廊下灯の輪の中、壁にもたれている影が見えた。八幡誠言が床に座り込み、長い脚を投げ出している。背中は冷たい壁。目の前には、濃い色のコートが無造作に広げられていた。

「……何してるの?」

八幡誠言は口の端をわずかに引き上げる。

「寝てる」

鳴海絃星は目を疑った。

八幡誠言だ。S市で最も尊い男が、彼女の家の玄関先のコンクリに座り込んでいる。まるで家から追い出された大型犬みたいに。

絃星は足を上げ、つま先で軽く彼を小突く。

「入って」

八幡誠言の目が一瞬だけぱっと...

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