第15章 離婚に応じない理由

鳴海絃星は眉をひそめ、反射的に視線を周囲へ走らせた。やがて窓の外――すっと背筋の伸びた細長い影に目が止まる。

外は薄暗く、八幡誠言の表情までは読み取れない。けれど、強く噛み締められた顎のラインだけで、機嫌の悪さが伝わってきた。

鳴海絃星は気にも留めず、エビを食べ続ける。

八幡誠言からメッセージが届いた。

【1分だけやる。来ないなら、離婚の話はなしだ】

鳴海絃星は白目を剥き、スマホをテーブルに伏せて置いた。

……今さらだけど、こんなに卑怯な男だったっけ。

「ちょっと外に行ってくる」

白鳥縁は最後の一尾を鳴海絃星の器にそっと移し、紙ナプキンを抜くと、ゆっくり指先を拭いた。

それ...

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