第176章 白鳥縁一の結婚式

晩秋のB市は、街じゅうを埋め尽くす祝いの花々に彩られ、都市そのものがほの温かい光に包まれていた。

白鳥縁一は仕立てのいい白いスーツに身を通し、背筋は相変わらず真っすぐだ。けれど顔色は死人のように青く、眉も目も死んだまま。近寄りがたい冷えと寂寥が、身体の周りに薄くまとわりついている。

式の間じゅう、彼の視線は虚ろで、表情も動かない。笑わず、喋らず、祝福にも応えない。魂の抜けた器――そんなふうに見えた。

ただ、鳴海絃星の姿を見つけたときだけ、彼の瞳にかすかな灯が差した。

けれどもう、昔みたいに彼女へ寄り添うことはできない。

「縁一兄さん」

鳴海絃星が白鳥縁一へ歩み寄る。

微笑んでは...

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