第193章 彼女が守ってくれるけど――お前には、いるの?

一年あまりの空白を越えて、鳴海絃星はようやく――再び日本の土を踏んだ。

車が鳴海家の邸宅の前で静かに停まる。玄関の扉を押し開けた瞬間、見慣れた調度と匂いが一気に押し寄せ、胸の奥に溜め込んでいた郷愁が、堰を切ったように込み上げた。

リビングでは、鳴海厚年がソファに腰を下ろし、書類に目を通していた。物音に気づいて顔を上げ――玄関に立つ少女の姿を認めた途端、彼の動きがぴたりと止まる。

手にしていた書類が、はらり、と床へ落ちた。

呆然。

目の前の少女は、変わらず整った眉目をしている。けれど、かつての怯えがちな繊細さは影を潜め、代わりに落ち着きと柔らかな気品が宿っていた。

一年ものあいだ行...

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