第198章 幸せを祈る

個室に残ったのは二人きり。

白鳥縁一は瞳の奥に残っていた悔しさも執着も、すべて静かに手放した。表情はすっかり穏やかにほどけ、眉眼の優しい鳴海絃星をまっすぐ見つめて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。

「正直、心配してたんだ。神野綺生が強引なやり方で君を縛って、無理にでもそばに置こうとしてるんじゃないかって」

一拍置き、さっきまで無意識に上がっていた彼女の口元へ視線を落とす。そこにあるのは、隠しようのない幸福の色だった。

縁一はふっと息を吐き、肩の力を抜いたように微笑む。

「でも、さっき見たよ。あいつが不器用なくせに必死でエビの殻をむいて、目の中に君しか映ってない顔をしてた。……はっきり分かった...

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