第23章 八幡誠言の独占欲

岩崎深は「承知しました」と短く返すと、身を翻して執務室を退出した。

その直後、八幡誠言の携帯が鳴る。

若林詩羽からだった。

「誠言、馬場の人から電話があったの。心がこの二日、様子がおかしいって。ごはんも食べないし、人も寄せつけないみたい……あの子、小さい頃から人見知りで、私たち二人にしか懐かないでしょう? 一緒に見に行ってくれない?」

心――。

五年前、八幡誠言と若林詩羽が馬場へ行ったとき、二人で取り上げた子馬だ。

それ以来、心はずっと若林詩羽の専用の相棒だった。

八幡誠言は眉間を押さえ、ゆっくり息を吐く。

「慌てるな。今すぐ行く」

……

同じ頃、S市郊外の馬場。

鳴海...

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