第31章 まさか彼女が鳴海家のお嬢様?

鳴海絃星は碧海の苑を出ると、そのままホテルへ戻った。

シャワーを浴び、軽く腹に入れてから、デスクに腰を下ろす。ノートパソコンを開き、掲示板へログインした。

すると、数日前に投稿しておいた依頼に「受注」の表示がついている。

心臓がどくんと跳ね、絃星は慌ててホテルの固定電話を取った。受注者の番号へ、そのまま発信する。

コールが数回続き、やがて向こうが出た。

「はい、どちらさまでしょうか」

聞き覚えのある声。

絃星の指先が、受話器を握る力を強めた。

――若林詩羽。

受けたのが、彼女?

二秒ほど沈黙してから、絃星はようやく口を開く。

「私の依頼、受けてくれたのね?」

「……鳴...

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