第35章 いつ彼女を娶るつもりだ?

八幡誠言は若林詩羽を家まで送り届けた。

玄関の扉を開けた途端、若林の母が詩羽を抱き締めた。目は真っ赤だ。

「詩羽……やっと帰ってきた。ネットのあの動画を見たとき、心臓が止まるかと思ったよ。無事でよかった……ほんとに……」

若林詩羽は母の胸に身を預けたまま、血の気の引いた顔で、まだ怯えが抜けきらない。

けれど視線だけは、玄関に立ったまま中へ入ってこない八幡誠言へ、何度も何度も向けていた。

その目線を追って母も顔を上げると、たちまち表情に怒りが浮かぶ。

「鳴海絃星って女、どこまで腐ってるの。人を使ってこんなことさせるなんて……あんたを潰すつもりよ!」

「お母さん、もう……」若林詩羽...

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