第40章 証拠はこれで向こうから来たじゃないか?

夜もすっかり更けていた。

S市でも指折りのプライベートクラブ。

八幡誠言はソファに身を沈め、襟元を大きくはだけていた。引き締まった胸板に、薄く浮いた腹筋のライン。

皺だらけのシャツが身体に貼りつき、袖は肘まで無造作にまくられている。酒のせいか、前腕の血管がうっすらと浮き上がっていた。

目を閉じたまま、眉間には深い皺。薄い唇はきつく結ばれ、漂うのは退廃と危うさ――触れれば切れそうな気配。

そのとき、ローテーブルのスマホがぱっと光った。

胸が、きゅっと締まる。

期待……してしまったのだ。

けれど表示された名前は若林詩羽で、その瞬間、心の奥がすとんと落ちた。

眉間の皺がさらに深く...

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