第44章 俺を愛しているんじゃないの?

八幡誠言は手にした録音ペンを握りしめ、再生ボタンを押した。

すぐに機械越しの若林詩羽の声が、会場に流れ出す。

「今回の件、うまく片づけたら……報酬は弾むわ」

「若林嬢、ご安心を。この稼業も長いんでね。これくらいなら問題なくやれます」

「写真を流したあと、世論がどう転ぶか……あんた、分かってるでしょうね?」

「もちろん。まずは若林嬢に同情が集まるよう誘導して、それから矛先を鳴海絃星に向けさせる……」

「騒ぎが大きくなったら、八幡誠言の性格なら必ず私を助ける。だから、そのとき彼があんたを見つけたら……鳴海絃星に指示されたって言い張りなさい。分かった?」

「相手は八幡誠言ですよ。S市...

ログインして続きを読む