第55章 どうしてあんたの顔を立てなきゃいけないんだ

結城栞はその視線を向けられた途端、どこか後ろめたさを覚えたのか、わずかに口元を引きつらせた。

「絃星、どういう意味?」

鳴海絃星は背もたれに身を預け、テーブルを囲む面々をゆっくり見回す。

「私の記憶が間違ってなければ、ここにいるのって、みんなあなたの取り巻きよね。だったら目的は最初から一つでしょ。私を笑いものにして、恥をかかせるため」

結城栞の表情が、ぴくりと揺れた。

「狙いどおりになったなら、今さらいい人ぶらなくていいじゃない」

個室の空気が、すっと凍りつく。

結城栞の笑みは顔の上で固まり、次いで、いかにも傷ついたふうに眉を下げた。

「絃星、どうしてそんな言い方するの……子...

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