第59章 彼女を連れて帰るつもりか?

警察署の外。

鳴海絃星は階段の縁にしゃがみ込み、小さな女の子をぎゅっと抱きしめていた。

そこへ八幡誠言が大股で出てくる。視界にその光景が入った瞬間、足がわずかに止まった。

次いで近づき、横目で彼女を睨む。

「一日中、俺に厄介ごとばっか持ち込むな」

「ほら、立て。さっさと帰るぞ」

八幡誠言は鳴海絃星の前をそのまま通り過ぎる。

鳴海絃星は何も言わなかった。

彼女は女の子の手を取ると、彼とは逆方向へ歩き出す。

八幡誠言の足が、ぴたりと止まった。

振り返り、荒い足取りで彼女の前に回り込む。

「……その子を連れて行く気か」

鳴海絃星は淡々と答えた。

「そうだけど。何か問題?」...

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