第62章 どうして彼を心配しなくなったのか?

八幡一辰の泣き叫ぶ声が、別荘じゅうに響き渡った。

八幡誠言が大股で部屋に入ってくる。その背後から、鳴海絃星も慌ただしく駆けつけた。

「どうした」

誠言は眉をひそめ、ベッドの上で転げ回る息子を見て、心配そうにその傍へ腰を下ろした。

一辰は鳴海絃星の姿を認めるなり、指を突きつける。

「こいつだ! 絶対こいつが飯に毒を入れた! 俺を殺す気なんだ!」

ドア口に立ったまま、絃星は鼻で笑った。

「八幡一辰、漫画の読みすぎじゃない? 毒? あんたと梓は同じ鍋の麺を食べたでしょ。梓が平気なのに、なんであんただけ当たるの」

一辰は聞く耳を持たず、腹を押さえて喚き続ける。

「うぅ……痛い……痛...

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