第71章 なぜいつも彼女に近づきたくなるのか?

鳴海絃星は、川野梓の宿題に付き合っていた。

ひと段落したところで仕事用の番号を取り出し、千峰グループとの件を前に進めようと画面を開く。すると、若林詩羽からの着信とメッセージが、埋め尽くすように並んでいた。

最新の一通は、ちょうど五分前。

絃星は短く返す。

『私の記憶違いでなければ、前回でもう一度だけ機会は差し上げましたよね。大切にしなかったのは、若林嬢のほうです』

送信して三秒も経たないうちに、若林詩羽から電話がかかってきた。

跳ねる名前を見つめ、絃星は口元の弧をわずかに深くする。

通話を取る。声は淡く、温度がない。

「若林嬢。何か?」

「鳴海嬢!」

受話口の向こうの声は...

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